はいじどう、ぜんじどう。

なんでも自動で出来る時代になると思ってたらそうでもなかった。

融通が利かない、だからこそ愛おしいもの。

先日Twitterで猫の供血ドナーを探されている方がおり、ご連絡を取らせていただいて、いずれ順番が回ってきたら我が家のお嬢に協力してもらうこととなりました。血液型が同じでも成分として合致しない場合は協力ができないため、万が一そこで駄目だった場合はもちろんとんぼ帰りにはなるのですが(しかも車ないんで行きも帰りも電車)、それでも協力を申し出たかったのには理由があります。

 

私の場合、最愛の娘二匹のうちどちらかを選択しなくてはならないという離婚よりつらい(本当につらかった)経験をしています。二匹の縄張り争いが起きてからは部屋をわけないと、お互いに傷つけあってしまうほど仲が悪くなってしまったので、離婚と同時に二匹が離れることはこの子たちのためにもなるという前向きな気持ちをもって苦渋の決断で「こちらを」と、決めました。

あえて、私にもともと懐いていなかった子を選択しました。

私にべったりだった子を、元旦那さんの方で飼ってもらうことにしました。いつでもお互いに会えるし、というのもありますが、常に喧嘩が劣勢だった子の方を引き取ることを選びたかったのは私がいじめられっ子だったからかもしれないです。

もう一匹、元野良猫の敵意剥き出し男子を引き取ることになったのですが、これは「前のトライアルで一緒に添い寝してくれなくてダメだった」という子でした。私にも一ヶ月近くシャーシャーフーフー、手を出せば引っ掻く始末で、お嬢も「なんだこいつは」という目で見るほどの野生味溢れる子だったので、とにかく手こずりました。数ヶ月して擦り寄ってくるようになり、相変わらずお嬢とは全然仲良くないですが、適度な距離感で二匹は1つの家で暮らしています。(たまにコタツの中で鉢合わせてギャーギャーやってますが、これくらいでは仲が悪いって言わないらしいですね)
うっかりポテチやパンなんか置いておこうものならばっちり王子に食べられますし、その分太ってしまう&体に良くないので、家の中で見えるところに食べ物を置かないようにものすごく気を使っています。
と、この一連の流れを続けてきて、思うことがあったんです。

家のものを食べちゃう子(=外でなんでも食べてた子)、家のものは基本的には手をつけない子(=ずっと家にいて、もらえるものを食べてきた子)、どっちも同じ猫なのに、性格も行動も真反対なのですが、生まれた場所は違えどここまで野良猫も家猫になれるし元々家猫で常に控えめ・超ビビリだったお嬢も勝気な性格を出すようになれるんだなと。

犬ほど素直じゃないし、こうして!ああして!を望まないのが猫なんですが、うちの二匹はわかりやすく「あいつ今日テーブルに置いてあったパン食べ散らかしてたよ!見て!見て!」ってやってきたり「すいません、、ポテトあったから食べちゃって、実はあんまりお腹が減っておらず。。あ、でもお嬢は食べてなかったよ、僕だけ食べました!!お嬢は責めないでね!」みたいな顔もしてきます。そういう表情が出るようになったのは、仲悪いけどお互いのおかげだったりもします。この個性が本当に可愛いのです。

犬ほど素直じゃないから、と書きましたが、猫は基本的に寝て自己治癒する生き物です。ちょっとの風邪や胃腸炎くらいなら長時間の睡眠をとって自分で治してしまいます。けどその分、重大な病気にも気付きにくい。それが猫なんですね。

今回お嬢に「もしその時が来たら協力してくれる?」と問いかけてみました。自分もそういうときが来るかもしれないよ、ほかの家の子を助ける手助けができるかもしれない、どう?できそう?頑張れる?
元旦那さんのところに行った姉にゃーなら「主の言うことならなんでも聞くよ!やるよ!」ってひとつ返事だっただろうと思うんですが、お嬢は寝ぼけ眼で「私なんかが役に立てるのかなぁ、、」といった表情をしていました。

彼らとは言葉で意思疎通ができない分、具合は人間が判断するしかありません。でも、だからこそ毎日しっかり観察するし、食べ物にも気をつかいます。こういう日々を心から愛おしく思えるのです。今回に限らず、お嬢も王子も病歴はなく去勢もしていて全麻歴もあり、若くて体格もいいので機会があれば協力させていただきたいと思っています。

どうか、世の中の病気持ちの動物たちが少しでも元気になれますように。