はいじどう、ぜんじどう。

なんでも自動で出来る時代になると思ってたらそうでもなかった。

性の話から目を背けるべからず、こんな時こそ知っておくべしピルの話

ちょっと大人な話です。

今回のSTAY HOMEでコンドームが売り切れるんじゃないかとか、そんな話が出てましたよね。人はそんなに性欲が続くあれでもないですし、毎日一緒にいるような人だとなおさら、そんな毎日毎晩しようぜぃ!みたいな空気にはならないものだと思います。

私は離婚前からそういう行為はなかったので、付き合いが長いとこうなっていくんだなぁという"レス離婚"的なことも理解できなくはないです。そもそも日本人は、そういう欲は週に一度波がくるか来ないかっていう具合だと思いますよ。

 

そして今回、コロナによって色々な商業施設が閉まり、そして再開していこうという動きがありますよね。

サーモグラフィーや検温機が導入されるところが多そうです。

そこで思うことがあります。

女性には、月に「低体温期」と「高体温期」があり、私はもともとが低体温体質なので夜だけ体温が上がるのですが、高体温期に入ると37度超えたりするではありませんか。そして妊娠初期もそうです。体温は高いんです。それをね、日本の男性ってびっくりするほど何も知らないんですよ。検温でひっかけるのを37度に設定するとして、その人は「あ、お客様少々よろしいでしょうか」って声をかけられるんですよねきっと。

あ、あの人もしかして熱あるのかな?

っていう好奇の目で見られます。でもどうでしょう。ただ高温期なだけだったり、妊娠初期だったりすれば女性は普通に体温が高いことも多いんです。

そう、私の飲んでいるピルも「擬似妊娠状態」になるので、朝は体温低いですが日中から夜にかけては結構体温が高めです。

 

私は仕事のために、体調を安定させる理由で超低容量ピルをもう十年ほど飲み続けています。一ヶ月に一回しんどい思いをするよりもはるかに楽ですし、なにより旅行のときや出張のときに調整が効く。お金はかかりますが、こんなにもいいものはない!と、思っています。

いまだに日本では「あー避妊薬ねはいはい」というイメージが強いと思いますが、そんなことはないんです。生理が重い、仕事にならないくらい辛い、そういう人こそ飲んでいくべきものなんですね。

 

後輩の男の子に彼女ができまして、こんな相談を受けたので紹介します。

(こんなことをあっけらかんと話せる関係性っていうのもまあ変な感じですが)

「前の彼女は生理が重すぎて、一緒にいても口をきいてくれないレベルでしんどそうにしていたことがあった。今の彼女は、大丈夫だよ!って言うんだけど、それでも不順で困っているという話も聞いている。その場合たとえば旅行とかに行こうと思うと不順じゃなければある程度この辺なら、と予測がつくと思うけど、意外とそこにぶち当たったりもすると聞くのでその場合僕にできることはないのか」

お前にできることは何もない。

と、言いたいところでしたが…

せっかくなので、彼にピルの仕組みを教えてあげました。それは避妊具使わなくてもいいんだぜイエーイっていう話ではなく、もしそういう感じであれば(そして普段から継続して飲むつもりがないのであれば)旅行に行きたい一ヶ月半くらい前から病院に行けば調整がきくように薬を処方してくれるよ、と。そこで彼は悟ったのです。

「前の彼女は生理が重くて不順で、いつ来るかもわからないし来たら来たで重たいから旅行はこの日で確定ってことでいいのね?じゃあちゃんとする」

と言っていたと。

で、業界が業界だもんで、普通に直前に仕事になったりするんですよ。(私もそれで何度もライブに行けませんでした。あーあ)

「申し訳ないが旅行の日にちを変えられないか」

と持ちかけたところ、大激怒されたそうです。ああ、それはちゃんと薬で調整してたんだなっていうことに今になって気づいたわけです。時すでに遅し。

やっぱり知識というのは、あるのとないのとでは全然違います。

「今度の彼女には、こういう話はしづらいけど、でも僕の方が年上ですし姉さんみたいに教えてくれる方もいるから絶対に話します。どこからの入れ知恵なのかって聞かれたら、正直に先輩ですごく詳しい人がいて、その人もう何年も薬飲んでるし、とにかくめっちゃ元気やねんな一年中。だから、その人からちゃんと聞いたんよって言います。もうあのときの二の舞は嫌です」

おお、頑張れ頑張れ。その調子だ。でもね、あれは飲み続けていないと避妊の効果はないから、旅行時だけの調整にだけ使用して、本人に飲み続ける意志がないのであれば避妊具は必要だよとも念押しをしておきました。というかそもそも薬飲んでるから何もせんとそのまましていいってわけではないんです。エチケットですよエチケット。

 

私の職場には、この月に一回やってくるモノのおかげで苦労する子が大勢います。

それが原因で辞めていく人も多いんです。普通に徹夜もありますし、現場は一晩中立ちっぱなし歩きっぱなし指示しっぱなしでまあまあつらいです。大残業期間もあります。そういうのがあまりにしんどくて、私は十年前に「これはピルに頼ろう」と決意しました。あのとき決意して本当によかったと思います。おかげで「どうして年がら年中(そういうのがあるはずなのに)そんな元気なんですか?」という相談も多く受けるようになりました。ピルは偏見があるので、その誤解を解くためにも、相談されたらちゃんと説明をします。

 

男の人は、というか、働く男性はもう少し女性の事情に詳しくあるべきだと思います。

あいついっつもいっつも体調悪い言うて休んでんなーとか。そんなこと言わないでほしい。休むタイミング毎月見てればわかるだろ大体!って思うんです。わかんないんですよね〜。何故なんでしょうか。

性行為目的でピルを飲んでいるわけではありませんが、薬飲んでるよって言うと避妊具をしない人が一定数いるのも事実です。これはよくない。なんなら言わないほうがいい。薬飲んでるのを知っていても避妊具をしてくれる、これが一番優しいパターンですね。

 

まあ私ももういい歳ですし、こういうことに詳しいのは必然ではあるのですが、最近よく女子社員からも相談を受けるようになったので「不順で悩んでたりする子が多いのかな、増えてるのかな」と思うようになってきました。お金もかかりますし、血栓症のリスクもあるので一概に手放しでおすすめはできませんが、私はこれのおかげで助かってるんだよっていう話はこれからもしていこうと思っています。

正しく知れば、怖いこともないし、変な薬でもない。

それがピルだと思いますよ。