はいじどう、ぜんじどう。

なんでも自動で出来る時代になると思ってたらそうでもなかった。

グレー企業と私

10〜12月に本気の繁忙期と言いますか、土日全部出て平日は基本終電かそのまま徹夜か、みたいな日々が続きました。

まあこのご時世ですから、会社は困るわけです。

こんな人物がいてしまっては、罰則の対象になってしまいますので。

そこで上司お二方は私に毎日「それはいつ終わるのか」「いつまでやってるのか」という言葉を延々かけ続け、ひどい時には1日に三回も言われる始末。あのですね、終わりは来るんです必ず。でも来た仕事をないがしろにして片手間でやるわけにいかないじゃないですか。指名できた仕事なんです、全力でやるに決まっています。

どうしてそんなこと言うんですか、もう少しで終わるって毎日言ってますよね?それでもそんなに言われないといけないんですか?ならもう残業申請毎日22時で出しますよそれでいいですね?それなら法に触れませんね?

って、言ってみたんです。

それはそれで困るというんです。まぁそりゃそうなんですけど。

後日、私の小耳に挟まってきたのは「(残業代がくっているせいで)あいつに金がかかりすぎている」という上司の心無い言葉。

傷つきましたねー

聞こえてないと思ったんですかねーこそこそっと話してましたしね。聞こえてましたよ。

私は残業代が欲しくて仕事をしているわけではないんです。本当にいただける仕事が好きで、なんとか100%を、120%を、180%や200%を目指して仕事をしたいだけだった。

なのに、きっと上司は会社に怒られたんだろうと思います。その仕打ちが「年明けから仕事を意図的にセーブさせる」ということでした。

 

私は会社の中で弱い立場にあります。

正社員ではありますが、15年ほど前に外注の常駐スタッフとして入って、そこから契約社員→正社員(仮、みたいな)→正社員(総合職)と段階を踏んで今に至ります。

なんでしょう、いろんな場面で「正社員に"あげてやったんだから"」っていうマウントみたいなものを感じるようになりました。どうせ辞めないだろう、どうせここまで長くいたんだし、どうせうちが拾ってやったんだから…。入った時からそうでしたが、新入社員として最初からいるよりも圧倒的に待遇が冷たいんです。どの場面でもそう。優しさのかけらも感じられない。

でも私がここまでやってきているのは、仕事が好きだからです。

空間演出って、いろんな人に喜んでもらえます。

物によっては二週間とかで終わっちゃったりするんですけど、その終わりがある儚さが空間演出にはあると思うんです。人間と一緒ですね。半永久的に残るものっていうのは"無難"とか"強度"にがちがちにとらわれてしまいますが、私たちがやっていることは違います。いのちがあります。数週間だったり一ヶ月、二ヶ月だったり、短いいのちです。

その短いいのちの結晶をいろんな人が見て感動してくれる。それがこの仕事の醍醐味でもあると思います。

その短いいのちを作り上げる仕事は、サイクルでテンポよくやっていかないとどんどん力が有り余ってくるんです。それが、いまなんですね。意図的にセーブされると、デザイナーって死ぬんです。鈍って死んでいくんです。それに上の人たちは気づいていない。

 

14人体制だった部署も二人減り、もう一人も辞めることになり、どんどん人数が減ってきました。別に私なんかいてもいなくてもですし(そりゃいなくなったら痛手だろうとは思います。実力は買ってもらっていたし、指名で来る仕事が多かったので)正直あの年末の「いつまでやってるの?」「いつ終わるの?」ラッシュは私の中でトラウマになりました。仕事はめちゃくちゃ速い方なんです。けど、やる量が量だったのと、それに対して誰か手伝いをつけてくれるわけでもなかった上の人たちが毎日それを言ってくるって。
お前はできないやつだ、って言われてるのと同じだなこれはと錯覚するようになりました。

飛び込みの仕事だとしても片手間ではできませんし、力は抜けませんし、せめて誰か手伝いをつけてくれよと。

でも仕事内容が未知数だし私の性格もあって、それは難しかったっていうことなんですよね。知らんがな。私の性格?下に厳しいって?作業をお願いするだけなんだから厳しいも何も「これをこうやって描いて欲しい」ってお願いするだけなのに私の性格関係ありますか?それじゃいつまでたっても私は一人でやらなくちゃいけないじゃないか。どういうことなんですかね。

 

というわけで、少しずつ自分を見つめ直そうっていう時間を設けています。

グレー企業と呼んでいますが、実際は月の残業でいうと繁忙期で平日だけで120時間超、土日の出勤もフル(金曜に徹夜して土曜そのまま仕事っていうことが多かった)そういうのも含めて残業という時間にするのであれば、200時間なんて軽くいってたんじゃないですかね。仕事は好きなので、体がしんどいとか精神的にどうこうっていうのはなかったんですけど、この状況なのにヘルプしても誰も手伝いをつけてくれず、ただただ私に怒るだけってどういうことなんでしょうね。
給料明細とか、紙に残るものには法に触れない時間でうまいこと誤魔化して書いてあります。そういう意味でグレー企業です。ホワイト目指そうとしてるんだろうけど、中の人がブラックすぎて救いようがありません。

それに気づく前に辞めていった子たちは幸せだと思います。

私は仕事のおかげで結婚生活も手放しましたし、普通の人間としての感情みたいなものも失いました。割と無感情です。いつも空元気です。体は健康ですけどね。

「どうせお前の仕事が忙しすぎて家のことなんもせーへんから旦那が愛想つかしたんちゃうんけ」

そう言われます。

実際は忙しすぎて、子供のことも家のこともなにも考えられず、このままでは互いに不幸になるだけだと思って私から切り出したことでしたが、社内ではすっかり私が悪者です。でも別にいいんです。もうそう思われてもなんでも。

 

でもね、上司さま。

「離婚の時期と繁忙期重なってたけど、ただ帰りたくなくて会社にいただけじゃないやろな?」

 

それはダメです。

どうしてそういうこと言うんですか。必死でやってたの見てくれてなかったんですかね。なんでそういう言葉が思いつくんですか。普通に傷つきます。

 

と、いろいろあった年末年始、そして今です。
ここまであってもまだ精神的にも病んでるわけでもないって我ながら本当に強くなったなぁと思います。

以降は、いろんなことがうまいこといくように、誰かがこれ以上不幸にならないようにしたいなと思っています。
これだけ人生いっぱい頑張ってきたけど、うまくいくことなんてほんのちょっとしかないもんなんですね。どこかに幸せ、転がってないかなー