はいじどう、ぜんじどう。

なんでも自動で出来る時代になると思ってたらそうでもなかった。

解体全書、読書感想文

多分、国語が得意だったり読書がもともと好きな人はこれがすいすい書けたんじゃないかと思いますが、よく聞くのが「読書感想文はなにを書いていいのか分からなかった」「計算ドリルと同じくらい面倒だった」という意見です。よっぽど計算ドリルのほうができなかった私にとってみれば、この読書感想文なるものは「ツイッターに投稿する内容に肉付けをしたもの」となんら変わらないので、宿題関連の中では一番易しいものという認識でした。

ツイッターには投稿できるんだから、じゃあ感想文なんてものは余裕のよっちゃんなわけですよ現代の子供たちは。というわけで、私が今でも会社に提出するための課題論文に活用している「結果から膨らませる文章」について勝手に書き広げていこうと思います。

なにがわかりやすいでしょうかね。

題材はDEATH NOTEにしましょう。大体誰でも知ってるアレです。

まず、全部読んでみてどう思ったのかを率直に考えます。

「月は自業自得だ、愚かだと思った」

これが一般的な感想だと思います。

ただし、読破してみてもう一つ思うことがあると思うんです。

「愚かだとは思うが、ダークヒーローとしては最高だったし、使い方さえ工夫すればもっと良い世の中を構築できたのではないか」

この感想にこぎつけるまでにどんどん肉付けをしていきます。なぜそう思うのか。

そもそも月くんは正義感の強い学生で、悪いやつを自分の手で裁こうとしていきます。この前提があるからこそどこか最後も哀れさや心苦しさのある結末だと感じるわけです。途中から月は、自分がキラであることをバレないようにするにはどうするのが最善かという方向にシフトしていきますが、その傍らでデスノートによる殺人はやめようとしません。ただしバレそうになるとその人をも殺していきます。そうやって"人格"を失っていく過程を、「自分だったらこの場面でどういった選択をするか」みたいなことを文章に挟んで行きます。月くんのように頭がキレない私なら、きっともうここで降伏しているだろうなとか、ここまで考えられたならこの人を陥れてこういう風に持っていくだろうとか、あくまでも話の中ですが自分に置き換えると一気に文章が進みます。それは、人っていうのはなんだかんだで妄想が好きで、得意な生き物なので、全体の中で一箇所や二箇所は「自分だったらこうする」プランを入れていくと物語の一員になれたような感じですらすらと文章が書けるはずです。随所に入れてしまうと自分語りが多くなってしまうので、あくまでもポイントとなる箇所だけでいいと思います。

あとのポイントはどこになるでしょうか。

おそらくLを殺したあの瞬間ですよね。

そこについて、あの時の月の策と「Lを殺したことによって後継者が出てきたくだり」を、どう思ったかを率直に書きます。あそこが一区切りになりますが、新たな伏線・登場人物が出てきたことによって「前半の方が好きだ」「メロニアが出てくる後半のほうが好きだ」みたいな個人的な意見が当時はよく出ていたように思います。私自身は「前半の方がわかりやすい・登場人物が少ないので自分でも伏線を見落とさずに読んでいける」という点で前半の方が好きという結論になるのですが、この部分も膨らまして書きます。メロニアが裏で動いて月が最後に敗北するまでのくだりは、やっぱりLがいなかったら成り立ちません。この流れをそのまま書いてしまうと紹介文章になってしまうので、そこは省きながら、あくまでも感想文なので一番最初に感じた完結後の感想に持っていかないといけません。

本は、だいたい誰かに感情移入して読み進めることが多いですが、この漫画に関しては感情移入していくキャラクターが途中から月じゃなくなっていくことに気づきます。これはもう手がつけようがない、月を止めなくてはいけない、じゃあどのあたりからそうなってしまったのだろう?そういうことを考えて文章にします。

どういうことをすれば、彼は間違った道に進まなかったのだろうか。デスノートを拾ったときからか、初めて人を裁いたときからか、はたまた彼の正義感の裏にあるもともとの性格がそうさせたのか。そうだとすれば、いい子に育ってきた中で黒い部分を吐き出せた月は(多くの人を犠牲にしたが)実は最終的には幸せだったんじゃないか、とか、そういった「それはねえだろ」的な意見もこういう文章の中に入れ込むとスパイスになります。

でもやっぱり彼は愚かだし、自業自得な最期を遂げるんです。

それは誰のせいでもない、結局自分自身のせいなわけで、やはり「悪いことをすればそれ相応の罰がくだる」のが世の常だということ。でもそうならないのが、世にはびこる捕まらない犯罪者の数の多さであり、世の常は不条理や不平等で満ち溢れているということ。

感想文の文末には、こういう日常のことと結び付けられる一言もあるといいと思います。

 

こんな風に書くといいよっていうコツは山ほどあるんですけど、ばばっと殴り書きすると自分としてはこういう感じですかねー
教員免許を取った時に生徒たちの感想文をたくさん読んだのですが、自分がどう感じているかを自分の言葉で書けている人の文章はやっぱり読んでいてわかります。膨らませ方ひとつで結構面白い文になったりもするので、まだまだ夏休み前半ですよ、今から何冊か読んで感想文をいっぱい書いて、一番いいやつを提出するってのはどうでしょうかね〜

 

ちなみに私が一番苦手だったのは、交通安全ポスター作りでした。笑

美術や図画工作好きだったんですけど、なぜかこれは苦手で、本当にやる気がなかったのを覚えています。ゴメンナサーイ!